自治体の担当者さまから
「女性の起業支援の在り方」についてご相談をいただくことがあります。
最近こちらを読みました。
産業政策を担う経済産業省若手官僚プロジェクトレポート。
「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」
http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf
かなり読み応えがありました。
普段、起業相談の中でも、いろんな人生の悩みを聞くことが多く、
母子家庭の問題や、障がいを持つお子さんのお母さん、
パートナーと離婚せざるを得ない状況に置かれたり、
パートナーの方が病気になって収入が絶たれたり、
いったん病気で離職すると正規職に戻れない、
年齢による派遣切れ、
定年後の働き方、
ノルマやいじめのある職場で働き続けられない、
などの問題はいつも感じては来ましたが、
海外と比較されたり、データでまとまっていると、
あらためて、日本全体が抱えている課題なんだと思います。
そんな中、私が今、役立てるのは起業支援の立場からです。
特に女性の起業に可能性を強く感じています。
女性視点の商品やサービスは、世の中全体にもっと広がるべきものが多くあり、
女性だからこそ、気づく困りごとを解決する商品やサービスであったり、
利益重視の既存の企業が取り組んでこなかった、ニッチなニーズに応える商品やサービスで、
社会全体のダイバーシティを進める力になると考えています。
以前書きましたこちらの記事も合わせてお読みください。
特に、今後ご提案したいのが
政府や自治体の、
「なんでもかんでも起業を良し」として応援しようという考えから少しシフトして
社会に必要な
保育や子育て支援や介護支援ビジネスの起業支援に集中して支援するなどに取り組みを変えることです。
特に、保育や子育て支援や介護支援ビジネスにおいては、
既に先行する成功事例があり、市場ニーズが高いことは明らかであり、ビジネスモデルとして成り立ちやすい確かさがあります。
先行事例からの成功ノウハウを別の地域に『移植』することにより、成功確率は高められます。
『自由なモデルの起業』を支援するよりも、投資効果も確実で、
特に自治体の起業支援においては、
「その地域に必要なビジネスを育てる」という視点を持つことで、地域に還元される点でも投資効果が高くなると考えます。
なぜ、
女性が非正規職につかざるを得なくなるのか、
シングルマザーの女性が貧困に陥るのか、
そこを突き詰めると
「子育て」と「介護」の代わりの担い手がいないことにあり、
そこは、「保育サービス」や「介護サービス」で補えるはずですが
首都圏では特に、
そこが足りていない現状で、
認可を受けた、保育園や介護施設を増やしていくことはすぐには難しい。
また、実際に認可を受けるためには、数年のその分野での取り組み実績なども求められることが多かったり
小資金の小規模での起業ではなかなか始めることができません。
けれど、
保育の分野であれば、ベビーシッターや家庭での預かり保育、などに取り組む起業家(元保育士)や
介護の分野であれば、介護保険適用外の介護支援サービスを提供する起業家(元看護師)などもおり、
それらのサービスが充実することは、
保育園や介護施設の充実が進まない段階では、十分代替サービスとしてニーズがある上に
通常の起業に比べると
保育サービスや介護サービスは
ビジネスモデルが確立しているので、支援にかかる予算に対して効果としてのリターンが得られやすい。
さらに、
その地域の女性の働き続けやすさ、住みやすさにつながり、
それは他地域からの人口の流入をもたらします。
このように、これからは 「誰でも気軽にできるプチ起業」の支援ではなく、
地域に必要なサービス、実効性のあるの起業の支援に重点を置いていくべきと考えます。
私自身、子ども3人の子育てと転勤を経る中、いろんな形で働き続けました。
大手企業の正社員から、8人程度の小規模会社の週2出勤の在宅勤務社員、完全在宅勤務社員、
フリーランス、3人規模のコンサルタント会社、6人規模の小規模ネット企業。そして独立、開業、法人化。
形を変えても、働き続けてこられたのは保育園や学童保育に預けられたからこそ。
起業すれば、時間が自由になるから、保育園に預けなくても仕事ができるんじゃないか?
と勘違いされる方もいますが そんなことはありません。
お客さんとの約束を、子どもの熱などを理由に守れないことは、信頼を失うことになる起業家こそ、
保育の問題は大きいのです。
また、起業したものの、介護で、仕事のぺースを落とさなくてはいけない女性も多いの実際です。
残念ながら
多くの自治体が、創業支援と 保育サービスや介護サービスの支援が別の担当部署なのですね。
行政全体の共通課題として取り組まれる必要があると考えています。
投稿者プロフィール
- ITコーディネーター(経産省推奨資格)、ウェブ解析士上級、SEO対策1級、中小企業診断士2021年経済学、経営法務科目合格
(独)中小機構販路開拓アドバイザー、中小企業庁中小企業119登録専門家、神奈川県産業振興センター、千葉県産業振興センター、全国商工会議所登録専門家。各所で、起業相談、HPの改善アドバイスや女性起業セミナー、ネット集客セミナー講師。「結果を出す」にこだわり、幅広い分野のクライアントで集客改善事例多数。
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