2017年度、2018年度に引き続き、
今年とも JICA国際協力機構様主催
「ジェンダーの視点に立った漁村開発(水産起業支援)」視察研修にて 女性起業UPルームの女性起業支援についてお話ししました。
・女性ならではの起業のハードルになっていることや課題。
・女性起業家たまご塾が他の起業塾と何が違って、成果を出しているのか。
・女性起業家の事例について
お話ししました。
また、最後には、
私なりの「水産業における日本の市場におけるビジネスの可能性について」
最近の動向や最新のトレンドなどをお話ししました。
「魚の栄養は身体にいい。」のは知られています。
それでも「食魚」が進まないのは「魚を食べる」にあたって、いろんな「面倒なこと」があるからです。
- 魚を売っているお店が減っている
- 魚を買ってきてもさばけない
- 骨や皮があると面倒。子どもやお年寄りが食べたがらない
- 魚料理のレシピのバリエーションが少ない(色んな食べ方を知っている主婦が減っている)
- 家で魚を焼くとグリルが汚れ、においがつくのを嫌がる人が増えている。
- 魚を買って食べるのは生ゴミの日の前日にするなど、はらわたなどが匂うのを嫌う人が増えている。
そんな「食べたいけれど買うのに抵抗がある」分野は、チャンスが大きい分野でもあります。
いろんな形で「食べやすさ」に工夫を凝らした商品開発したものは、ヒット商品になっている事例がたくさんあります。
生協などで、骨を取り除いて、一口サイズに切り、すぐに調理できる形にした「冷凍魚」は人気ですし、セブンイレブンのレトルトでも「さばのみそ煮」が売れ筋商品に並ぶのは、一人暮らしや夫婦二人暮らしのシニアの家庭に喜ばれているからでもあります。
海外の方たちに話すと
「日本の女性たちが、魚を料理したがらないのは、分かった。では、なぜ外食をしないのか?」
という質問をもらいました。
アジアに旅行に行っても感じますが、海外では、日本よりも外食率がとても高いです。
朝から屋台で食事をすることはよくありますし、家での食事にこだわりがあるのは日本人ならではと改めて気づかされます。
海外の方との意見交換は、面白いです。
また、これ以外に、
特に、最近の日本で水産業・及び加工業において 私が注目している新しい技術があります。
それは「熟成魚」を簡単に衛生的に作るための新しい技術です。
これまで、数年にわたり、この水産業加工における海外からの視察で日本の事例などをお話ししてきましたが、
「日本は 物流が整っているから可能なことが多い。
特に新鮮な魚が新鮮なうちに運べる物流がない発展途上国では難しいことが多い。」
という意見もいただいたことがありました。
それについては、「確かに」と思っていたのですが
このニュースを聞いた時に「これは ぜひ、この視察の時にお伝えしたい!」と思った技術でした。
これまでは「新鮮な魚=美味しい魚=高く売れる価値がある魚」とされがちでした。
それを補うための「水産加工品」が色々アイデアで開発されても来たのですが
この「熟成魚」では、魚が死んだあとに筋肉内に作られる成分が「うまみ成分」とされる成分ととても似ているために、腐敗ではなく、正しい技術で「熟成」させた魚は、新鮮な魚より「旨みが増して美味しくなる」という技術です。
これまでも「食肉」の世界においては「肉を熟成させると、より旨みが増す。」というのは私自身も耳にしていました。以前、韓国に旅行に行った際も、プルコギに使う肉は、あえて1週間程度置いたものを使うと聞いて「新鮮な肉ほど良い」という考えは、必ずしもそうではないことに気づかされました。
「熟成させることで旨みを増す技術が」「食肉」より新鮮さが重視されてきた「魚」の世界においても可能になるのなら業界地図を変える技術になりえます。
この視察の直前、2018年12月頃に、この「熟成魚」を可能にする「特別な水」を作って販売している会社があると「がっちりマンデー」のテレビで紹介されていました。
そして、更に調べていくと、川崎で「熟成魚を作るシート」を明治大学との産学連携で商品化されたものが発表され、みなとみらいの回転寿司店では、実験的に店頭で、「新鮮魚」と「熟成魚」を食べ比べられるように出しているようでした。
日本初!11月15日(木)より「エイジングシート」を使用した『発酵熟成熟鮮魚』の販売開始いたします。
この技術は、物流に時間がかかる海外において、とても有用な技術になるのではないかと考えています。
また、合わせて、水産業界は、他の業態と比べてIT化が遅れています。
その中でネットを活用した、魚販売の成功事例や、飲食店向けサービスも出てきており、
ネットでの集客を後押ししている私としても、まだまだ可能性が高いと感じている分野です。
セミナーの中では、そんな事例もご紹介しました。
女性起業UPルームを運営する横浜市男女共同参画センターでは、女性の就労支援や相談窓口ほか女性の活躍推進の立場で様々な施策があり、それらも見学される方たちの興味をひいています。
特に、手作りなどのサークルで「生活工房」で集う、元気なシニア女性たちの元気な活動は毎年海外の皆さんたちは目を見張るところです。この日も、言葉の壁を感じさせない積極的な女性たちとのほほえましい交流がありました。
3年間続いた、JICAの水産業に特化した、この女性の起業支援事業は、今年度でいったん終了と聞いていますが、今後もこのような機会があればお話しさせていただきたいと思います。
投稿者プロフィール
- ITコーディネーター(経産省推奨資格)、ウェブ解析士上級、SEO対策1級、中小企業診断士2021年経済学、経営法務科目合格
(独)中小機構販路開拓アドバイザー、中小企業庁中小企業119登録専門家、神奈川県産業振興センター、千葉県産業振興センター、全国商工会議所登録専門家。各所で、起業相談、HPの改善アドバイスや女性起業セミナー、ネット集客セミナー講師。「結果を出す」にこだわり、幅広い分野のクライアントで集客改善事例多数。
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